吉田ジョージの吉田屋帝国

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プロボクサー 奈須 康介 Remix for DML

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1999/9/16(木)大阪府立体育会館にて

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西日本新人王奪取!

奈須康介(なす こうすけ)は1977年2月20日生まれ、現在22歳の現役プロボクサーである。鍵本エディージム所属、プロ戦績8戦5勝3敗、そしてなんと平成11年スーパーライト級 西日本新人王なのだ。9月16日、大阪府立体育会館にて、明石ジムの谷藤泰司選手を判定で下し、見事新人王を奪取した。

彼は普段、とても寡黙な男で、ジムの会長弁のとおり練習の虫である。彼自身は大学生であるという、もう1つの顔があるのだが、連日のロードワーク、練習メニューをこなす日々である。果たして普通の大学生にそんな生活を維持することができるであろうか、様々な誘惑があるはずである。それでも彼は誰に強制されるでもなくストイックなまでに過酷な練習に励む。そして、決して表面にあらわすことはないが、煮えたぎるような闘志と自信を秘めているのである。

しかし、彼はこうも言う。「正直、試合前は恐怖感との勝負です」あのミスタータイガース掛布雅之氏ですら、現役時代、常にボールに対する恐怖心を拭い去ることはできなかったという。痛みを知る真の強者、真剣勝負に挑んでいる者のみが発することのできる崇高な言葉である。

次の試合日程を尋ねると、彼は自分の鞄から分厚い封筒を取り出し、チケットを1枚、私に手渡した。1枚6000円のチケットであるが、代金はいらないと言う。あまりに分厚い封筒なので、その点を問うてみる。「僕のファイトマネーです。全部チケットでもらっています。やっぱり見に来て欲しいですから」実際、現金としてファイトマネーを得ることも可能だそうだが、それでも自ら全額チケットを希望し、それをファンや友人、知人に無料で配っている。

それならば、彼は何のために戦っているのだろう。それを聞こうとすると、「大学卒業やばいっすよ」と照れくさそうに一言だけ残し、練習に戻っていってしまった。

彼の目は静かにではあるが、力強い輝きを放っていた。それを聞くのは野暮な気がした。

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