大阪府和泉市にある桃山学院大学に学園際のイベントの仕事で訪れた。学際実行委員から渡された台本を見てびっくり。なんと、イベント参加賞に「ミルメーク」の文字が!
「いやあ懐かしいですねえ、ミルメーク」
「そう言う方もいますねえ、僕は知らないんですが・・・」
思わぬ言葉が返って来た。皆さんはどうだろうか。今の大学生くらいの世代はミルメークを知らないのか、あるいは私の生まれが関東圏であるからだろうか、ちょっとさみしくなる。
それでも、お土産用にちゃっかりと確保させていただいた。ありがとうございました。
ミルメークとは名古屋にある大島食品工業株式会社が学校給食用に開発した粉末状の牛乳調味料だ。写真はコーヒー味だが、他にココア味やピーチ味などがある。チューブ仕様のものもあるという。ただし、これらの情報は帰宅後に調査したものであって、小学生の当時は全く知らなかったことだ。なんとインターネット上には熱心なミルメークファンの作ったホームページがあり、現在の学校給食でもミルメークが提供されていることがわかった。給食でミルメークを味わったことのある方は、このパッケージを見て、懐かしい旧友に出会ったような、何とも言えない気持ちになるだろう。私の小学校でのミルメーク遭遇率はひと月に1日程度、それほど多くはなかった。しかし、その日ばかりは味気ない毎日の牛乳がコーヒー牛乳へと生まれ変わるのだ。ああ、あの頃のわくわく感がよみがえる。
早速、小学生の頃にやっていた流儀で食してみる。当時の牛乳パックの紙質はもっとやわなものだったので、パック上部を全開にした。現行の牛乳パックの紙は大変丈夫なので、今回はハサミを使用してカット。そして、ミルメークをサラサラと注ぐ。人によっては牛乳を少し飲んでから注いで濃い目に味わったり、粉末をペロリとなめて「ヤクだな。鑑定にまわせ」とか、ストローでそのまま吸い込んでむせたりして楽しんだものだ。
ミルメークの出る日は通常のストローより長めの専用ストローが付属する。それを使ってかき混ぜるのがメーカー側の推奨だが、私達の学年ではこのようにパックの上部を両手でしっかりと抑え、思いっきりシェイクするのが主流だった(ちなみにシャッター足で押してます)。こうすることにより、粉末もしっかり溶け、牛乳も程よく泡立ち、非常においしかった記憶がある。
いよいよだ。いっきにストローで吸い上げる。すると、口中から全身が小学校時代にタイムスリップ。
「よーし、ちくわの磯部揚げ、あと1口がんばれ」
「じゃあ、須田の分の食パンとプリント、吉田、頼んだぞー」
「先生、豊崎君の机の中で牛乳が腐ってます」
ただ、30歳になった今、飲んでみると、かすかにコーヒーの風味があるなあという程度。私も違いがわかるようになったのね。(2000.11.19)
商品提供:桃山学院大学 桃山祭実行委員会
資料協力:ミルメークを究める