大阪ミナミの戎橋で一際目を引くパフォーマンスを繰り広げる団体がいる。どつかれ屋だ。客にどつかれてナンボの世界。男性は1分間1000円でどつき放題、女性はただ今無料キャンペーン中だという。
そのどつかれ屋の中心的人物がシュートボクシング、ムエタイ歴5年でタイへのボクシング留学経験もある小嶌大介だ。
そもそも元祖は東京新宿の殴られ屋。彼はその本家殴られ屋に開業前のあいさつを済ませているそうだ。しかしながら、本家と大きく違う所は、大阪らしくとことんショーアップされた見せ方だ。攻撃はしないが相手のパンチは適度によける。「実写版の格闘ゲームと思ってください」との言葉どおり挑戦者は腕試しとばかりに人だかりの中、懸命に汗をかく。
失恋女性、地元のプチ番長、リストラ中年、ストレス過多サラリーマン、様々な思いの乗ったパンチを受ける。
「拳を交えると見えなかったモノが見えてくる。そこにあるのは社会的地位も関係ない、生身の人間なんです」
と、かっこいいことを言いつつも、今年大阪で行われた東アジア競技大会の期間中は体格の良い外国人選手団がうろうろし、生きた心地がしなかったそうだ。
マスコミ取材も多く、朝日新聞には「現在、彼女募集中の小嶌さん」と紹介されていた・・・。
「女の子との出会いもひとつの目的です」と彼。本来のスケベ心を覗かすのであった。
(2001.8.21)