「バックギャモンだっ!」
将棋の中学生プロ棋士、藤井聡太君は5歳の頃から将棋を教わったという。我が息子はもう8歳、私も彼に何か教えられる事はなかろうかと思案して、決めた。バックギャモンを教えよう。
通称「西洋双六」のバックギャモンは約5000年の歴史があり、日本へは奈良時代に伝わり、平安時代に大流行したという。
その歴史は別にして、私は大学時代のアルバイト先で、このバックギャモンという2人対戦のボードゲームを流行らせたことがある。休憩中、毎日興じていた。何も知らぬバイト仲間らに懇切丁寧にルールを教えた。やがて、大勢を巻き込み、対戦成績を記すノートが休憩室に置かれるようにまでなった。
海外ニュースで何十時間もエレベーターに閉じ込められた男が救出された直後、リポーターから「今、何を一番したいですか?」と問われ「バックギャモンだっ!」と答えたことは今でも鮮明に覚えている。
私自身のバックギャモンとの出会いは紀伊國屋書店 梅田本店の専門書コーナーにあった日本バックギャモン協会著『バックギャモン・ブック』だ。
何と、この記事を書いた時点で『改訂新版 バックギャモン・ブック』発売間近とは縁を感じる。予約してしまった。
「バックギャモンのような」
自分も周囲も全くやったことなかったこのゲームの名称を知ったのは、当時好きだった135というバンドの「バックギャモンのような」という楽曲からだ。
同時にゲーム盤も購入し、完全独学でルールを覚え、バイト先に広めたという流れだ。
専門書を読み込み、勝敗はサイコロの目に左右されるとはいえ、定石を知っているのだから、ほぼ負けることはなかった。
自然な流れで日本バックギャモン協会の会員にもなった。
他の協会員の方とゲームしたことはなかったが、会報誌を楽しみにしていた。当時の会長があのドラクエの作曲家、すぎやまこういち氏であったこともさらに興味を増す材料となった。
「手加減しろやっ!」
今回、もう20数年ぶりに日本バックギャモン協会公認ボードを買ってみた。
外観は高級感あるビジネスバッグのようだ。
開けばそこに懐かしい、24本の鋭角な三角形と15個2組のチェッカー、2個2組のダイス、2個のダイスカップ、1個のダブリングキューブがある。
息子にルールを教えながらゲームを進める。定石も教えながら。「うるさい!自由にやらせて」「難しい」「もうやめる」等々と連呼されるが、私自身はすでに過去にタイムスリップしているので1人でも続けられる。たまに息子が戻って来ては次第にルールを覚えていく。
サイコロの目に左右されるとはいえ、流石に息子に負けることはない。息子に捨て台詞のように言われた。
「手加減しろやっ!」
それでも新品のゲーム盤を自分の玩具置き場に片付けることを主張したので、今後もやる気はあるのかもしれない。(2017.4.21)
追記
この記事執筆後、『バックギャモン・ブック』著者でバックギャモン世界チャンピオン望月正行さんからツイッターのフォローを頂きました。当然、フォローバック。ありがとうございます。(2017.4.21)