弟の部屋に居候
私は2012年、41歳の春に大阪から名古屋へと単身赴任を始めた。ちょうど8歳年下の弟が名古屋に住んでいたので、初めの2カ月程、平日のみ居候させて貰っていた。
弟の帰宅はいつも深夜で、すでに私が寝た後だったので部屋で会うことはほとんど無かった。
謎のピルクル
↑写真追加(2020.5.17)
いつも弟のテーブルには紙パックのピルクルがたくさん置いてあった。どれも少しずつ飲み残しがある。弟の留守中に私が処理して捨てていた。
謎の歯ブラシ
洗面所には太めの業務用ソースの空き缶に使用済みの歯ブラシが花束のように大量に立てられていた。カラフルなそれは現代アートのようにも見えた。毛先の乱れからも捨てて良い物のように思えたが、飲みかけのピルクルのように簡単には捨てられなかった。何か意味のある行為に思えたからだ。
そんな弟と久しぶりに部屋で会った時に聞いてみた。
「何であんなにたくさんの使用済み歯ブラシを取って置くの?」
「うーん」
「さては、彼女が何人もいて、言い訳が面倒だから全部の歯ブラシを置いているとか?」
「いやいや」
「じゃあ、何よ?」
「あんな、お兄ちゃん、歯ブラシってな・・・」
「うんうん」
「燃えるごみ、燃えないごみ、どっち?」
「えっ、そこ!?分別の問題なのかっ!」
歯ブラシは可燃ごみ
画像は「ごみ分別促進アプリさんあ~る」より。
弟よ、お兄ちゃんが後日調べた。自治体により変わるかもしれないが、名古屋市内では歯ブラシは可燃ごみだ。燃えるごみ。正確には燃やすごみ。
そんな弟は今年、当時の私と同じ41歳。東京にいる。まだ独身だ。(2020.1.8)