前書
2004年に姫路文学館で開催された「第3回詩のボクシング兵庫大会」で予選を突破し、見事別日の本大会に進出を決めた。
『詩(し)のボクシングとは、ボクシングのリングに見立てた舞台の上で2人の朗読者が自作の詩などを朗読し、どちらの表現がより観客の心に届いたかを競うイベント』(民明書房より)。違う違う(ウキペディアより)。
本大会当日は大阪の吹田CATVの仕事でハーフマラソンを走り切ってから新幹線で兵庫の姫路に向かうというハードスケジュール。優勝まで見込んで詩(ネタ)を6本用意して臨んだ。
会場に着くなり、「詩ボク」スタッフから「吉田さん、優勝候補ですよ!」と声を掛けられ、調子に乗ったのか、あっけなくトーナメント初戦敗退。1本目の詩は当然、予選で勝ったネタをやるべきだった。若かった・・・。当日の模様はサンテレビや近畿一円のCATVでオンエアされた。
パソコン内のフォルダに当時の詩(ネタ)が残っていた。どこでも披露されていないが、頑張って書いたのだし、ブログで世に出して成仏させようと思いアップする。全6本あるから覚悟しといてね。今回はその4。(2020.6.17)
エロ本屋のおっさんブルース
吉田ジョージ、ずっと素ボクです。
空気ギターで詩の弾き語りシリーズ。
OK!姫路サイコー!姫路城サイコー!大阪城サイテー!
では聞いてください。「エロ本屋のおっさんブルース」
うちの近所のちっさな本屋
漫画に雑誌に文庫本、いろいろあるけど~
主力商品はエロ本
週刊文春とエロ本をレジに持って行くと
そこのおやじは無愛想に 目も合わさず 一言も口をきかず
見えないようにエロ本を文春の下にそっと隠す~
意外にいいやつ エロ本屋のおっさん
何だかいいやつ エロ本屋のおっさん
OK、空気ギターソロ<弾きまね>
ある時、芥川賞受賞作を大型店に買いに行くと
全部売り切れ
りさたんに蹴られてみたい背中~
金原(かねはら)スネークカモ~ン、ピアス~
期待もせず帰り道、近所のエロ本屋に立ち寄り
芥川賞受賞作 置いてますかと聞くと
あの無愛想なおっさんが堰(せき)を切ったように話し出した
いやあうち入荷少ないからねえ
その代わり文芸春秋ならあるで
今なら両方掲載されてるし、インタビュー記事も載っとる
おっちゃんは金原(かねはら)の方に力を感じるわ
今後の作品に期待や
でも、春樹か龍かと言われたら おっちゃんは春樹派やから、
綿矢の方が文章はきれいやけどな
当の芥川作品なら神神の微笑(かみがみのびしょう)に衝撃を受けたんや
短編やし 当時はそらで言えたもんや
意外に文学通 エロ本屋のおっさん
何だか文学通 エロ本屋のおっさん
月刊人妻天国、素人投稿写真集、デラべっぴん、文芸春秋、芥川龍之介
意外にせつない エロ本屋のおっさん
何だかせつない エロ本屋のおっさん
<リズム取ってしめる>
サンキュー、ありがとう。
誰か曲付けてくださ~い。(2004.2.15)
後書
誰の前でもやってない詩(ネタ)。悪くない。悪くないけど勝てないかな。(2020.6.17)