『お天気お寧(ねい)さんの日常。』第12話「ゲストの魚サンと会食。」
原作:吉田ジョージ 作画:無有(ムー)
郡上弁監修:上山真未
恒例、俺のネーム
いつもありがとう、無有(ムー)先生!(2020.8.2)
補足コラム「ゲストの魚サンと会食。」
お寿司屋さんの湯呑みが大きいのは何度もお茶を入れ直す手間を省くためだというが、魚へんの漢字がたくさん書かれている理由はわからなかった。魚文字寿司湯呑というらしい。まあ、面積が大きいので、ちょっとした遊び心でしょう。
魚へんに有でマグロ。「魚の中の魚ここに有り」から付けられたというのも一説。
鮭(サケ)は生臭いから魚へんに生と書いていたのを似ている鮭としたとの説。
鯛(タイ)は周(あまね)く見られる魚という説。
魚へんに弱いでイワシ、青でサバ、平でヒラメはイメージ通りだ。
春によく獲れる鰆(サワラ)、占いに使ったから鮎(アユ)、雪のように白い肉の鱈(タラ)、殻に身を包む鮑(アワビ)。魚か?まあ、魚介類だ。
鯑は魚へんに希でカズノコ。ニシンの卵を乾燥させて作るカズノコには子孫繁栄の「希」望を込めたという説だ。
魚サンも言っているように魚へんに旨いでスシ。スシは縁起良く「寿司」と表記することが多いが、「鮓」とも書く、こちらは大阪で使われるようだ。
変わって雨冠の漢字。雲(クモ)は元々「云」だったそう。
雷(カミナリ)は元々、雨冠に「畾」(太鼓の意味)と田を3つ書いていて、稲妻繋がりの田んぼ由来ではないようだ。
雪(ユキ)はヨが箒(ホウキ)を意味して、掃き掃除をしたようだから。実際には覆ってるだけだけど。
霰(アラレ)はパラパラと散るイメージ。
雨冠に包でヒョウ。魚へんはアワビだったね。
相は「縦に向き合う」意味で霜柱のイメージから霜(シモ)。
雨冠に英でミゾレ。英は華の意味で天から降る華とはおしゃれ。
務は「手探りで進む」意味で見通しの悪い霧(キリ)。
叚は「仮」の意味で霞(カスミ)。
霖は「リン」。「ナガアメ」とも読み。秋の長雨、秋霖(シュウリン)にも使われる。林に「垂れる」という意味があるようだ。
霄は難読。「ソラ」と読む。
霎も難読。「ソウ」と読み、通り雨の意味だ。
最後に魚と雨から。雨の魚(アメノウオ)という魚がいる。サケ科の淡水魚で琵琶湖にのみ生息するという。別名は琵琶鱒(ビワマス)。秋に雨が降って増水すると、産卵のために川を上ることが由来だそう。お刺身や塩焼き、天ぷらなど美味しいらしいウォ。(2020.8.3)