厄除けには佐野厄除け大師、猫除けにはペットボトル、迷惑メール防止にはドメイン指定受信、立小便防止には鳥居マーク、とは太古の昔から相場は決まっている。神社には初詣くらいしか縁が無くとも、ためらいなく真紅の鳥居マークに向かって放尿できる輩はそう多くはないであろう。今回は街のおしっこ禁止指標たる鳥居マークを収集し、その抑止力を五ツ星評価してみた。
★★★★
まずはこちら、完璧に近い作品。おどろおどろしいタッチからは作者の怨念さえ浮かび上がる。さらに、「小便するな」のコメントで駄目押しである。画数の多い「便」の一文字が筆の太さゆえ読み取りずらいが、むしろ良い味として仕上がっている。ただ惜しむらくは一点、鳥居の位置がやや高いように思われることだ。やはり、尿が鳥居に直撃する高さをキープしたい。あるいは、警鐘自体が尿を勢い良く上向きに射出可能な若者達へのものだとでもいうのか。その点を鑑みて抑止力は四ツ星とする。
★★★
こちらも高さはやや上付きである。しかし、「神」の一文字は注目に値する。関西地区ゆえ阪神ファンにも絶大な効果が期待できそうだ。ただ、全体的に線の細さが感じられ、抑止力は三ツ星とする。
★
さてこちらは鳥居マーク界に新風を吹き込むかもしれぬ作品。ホームセンター等で入手可能な既製品なのか手作りなのかは不明だが、標識としての美しさは抜群である。 高さも問題無い。ただ、この美しき標識への放尿行為自体の罪悪感は薄くなるのではないか、立小便防止の観点からは成功しているとはいい難い。よって、抑止力は一ツ星とする。
★★
最後にこちら、高さは絶妙。しかし、ビニールテープなのでお手軽感が漂う。ただ、黒色である意外性が妙な不気味さをかもし、それなりの抑止力は見込めそうである。 よって、抑止力は二ツ星とする。
追記：手書きの鳥居マークが上付きであることへの仮説。それはまさに壁面が尿で濡れている状態において、勢い一気に書き上げるゆえではないか。つまり、尿が乾ききる前であるので、下部への書き込み自体が不可能なのではないか。もしそうであっても立小便への抑止力向上という実を求めるならば、日和見だと罵られてもしかたあるまい。これはあくまで仮説である。
今後も理想的な五ツ星抑止力を持つ鳥居マークを求め取材を続ける所存である。(2004.4.15)
