これは私が仕事で東京出張したときにたまたま通りかかった神田の商店街内で見付けたお店です。あいにくスタッフ一同急いでいたのですが、私はそのショッキングな写真だけでもお見せせずにはいられないと思い、撮影する時間をいただいたのです。
看板が見ずらいのですが、「浜よし」とあります。外観からは何の変哲もない普通の小料理屋といった風情のお店です。
目を疑う光景が眼前に広がったのは、あれはまさしく写真右側の店の壁面に目をやったときでした。
確かに一瞬目を疑ったのです。ここは日本の首都東京、まがうことなくTOKYOのはず。
それが何なのか、すぐには理解できませんでした。いや理解することをためらったのかもしれません。
いや間違い無くそれはおびただしい数の鴨の亡骸でありました。無残にも洗濯バサミのようなもので壁一面にびっしりと吊るされているではありませんか。
もはや、食材としてしかその用途は計り知れないわけでありますが、なんという光景でありましょう。「おっ、うまそうなの入ってるねー」とはとてもじゃないが思えません。真の食通のみが店の暖簾をくぐる、その言わば踏絵なのでありましょうか。
中にはキジやうさぎも吊るされていました。ディープです。
恐るべし東京 神田 浜よし。あるいは、そこは都会の喧騒から逃れるべく桃源郷なのかもしれません。(2000.2.3)